スポーツで前歯が折れた
インプラントの治療例
スポーツで前歯が折れた
20歳の学生の患者様です。スポーツ中での転倒による歯の脱落と破折で来院されました。
20歳の学生の患者様です。スポーツ中での転倒による歯の脱落と破折で来院されました。
治療の流れ
(1)インプラント埋入
右上側切歯は脱落してなくなり、両側中切歯は歯冠が割れています。根のなくなった部分にインプラントを埋入しこの3本の歯にオールセラミックの補綴物を被せることとしました。
(2)仮歯装着
インプラントを埋入、4ヶ月程骨ができるまで仮歯を装着し待ち、その後最終の補綴物の製作に取り掛かります。
ジルコニア、セラミック、ファイバーポストを用い、金属を使用することなく製作しました。金属アレルギー等の問題がなく、また歯や歯茎の色が綺麗に出ます。今後は、メタルフリーの補綴物が主流になってくることが予想されます。
(3)ジルコニアのアバットメント装着
ジルコニアのアバットメントを装着しました。
(4)オールセラミックの補綴物装着
オールセラミックの補綴物を装着しました。やはり歯と歯茎の色が綺麗です。どれが天然歯でどれがインプラントかまたどれがセラミックか見るだけでは我々歯科医師にもわかりません。
(5)術後
術後のレントゲン写真です。この患者様にとって今後の人生を考えるとインプラントもジルコニアも大きな福音だったに違いありません。
インプラントをブリッジ、入れ歯と比べた場合のメリット・デメリット
5つのメリット
(1)全ての治療法の中で一番噛める
インプラントの人工歯根は顎の骨の中に埋められ、しっかりと結合するため、噛んだ刺激が顎の骨に直接伝わります。そのため、他の治療法では得られないような、天然歯のような噛みごたえが得られます。
(2)見た目が天然の歯に近い
インプラント本体は骨の中に埋まっており、実際に見える部分はセラミックなどの被せ物のみですので、見た目が天然の歯に近くなります。
(3)周囲の歯に優しい
ブリッジや入れ歯の場合、周囲の歯に負担がかかってしまいます。ブリッジの場合は被せるために両隣の歯を大量に削らなければなりませんし、入れ歯の場合は隣の歯に強い力がかかってしまい、結果的に他の歯の寿命を縮めてしまいます。
インプラントは単独で歯を補うことができるため、周囲の歯の健康も害することがありません。
(4)違和感がない
インプラントは顎の骨と一体化するため、他の治療法で感じるような違和感がありません。
(5)顎の骨が痩せにくい
歯が抜けたまま放置している、もしくはブリッジや入れ歯にした場合は、顎の骨が刺激を受けずに痩せていってしまいます。一方、インプラントの場合は噛む刺激が直接骨に伝わるので、骨が痩せるのを防止してくれ、見た目の若々しさをキープできます。
3つのデメリット
(1)骨を削る手術が必要
インプラントは他の治療法と違って人工歯根を顎の骨に埋め込む手術が必要です。
(2)保険がきかない
インプラントは保険がききませんので、保険の治療法より治療費が多くかかります。
(3)治療期間が長い
顎の骨とインプラントが結合するのに数ヶ月を要するため、治療期間はその分他の治療よりも長めになります。