「最近、ほてりや発汗、なんとなく体調が安定しない」、そんな更年期特有の変化を感じ始めている方も多いのではないでしょうか。
実は、更年期は体だけでなく、お口の中にも様々な変化が現れる時期です。歯を失ってインプラント治療を検討されている方の中には、「このタイミングで手術を受けても大丈夫だろうか」と不安を感じる方も少なくありません。
今回は、更年期世代の女性がインプラント治療を受ける際に気をつけたいポイントを、わかりやすくご紹介します。
なぜ更年期世代の女性はインプラントで注意が必要?
更年期になると、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が急激に減少します。このことは体の変化につながる大きな要因ですが、骨の健康や歯茎の状態にも影響を与えます。
そしてこれはインプラント治療の土台となる「あごの骨」や「歯ぐき」にも影響してくるため、インプラント治療において注意が必要になってきます。
更年期特有の変化とインプラント治療への影響
女性ホルモンの減少と骨密度の低下
女性ホルモンのエストロゲンには骨の破壊(骨吸収)を抑える働きがあります。そのため、更年期にさしかかってその分泌が減ると、骨密度が低下しやすくなることが知られています。
インプラントはあごの骨に人工歯根を埋め込む治療のため、骨の量や質は治療の成功を左右する大きな要素となります。
骨密度が大きく低下している場合には、「骨造成」などの追加処置が必要になることもあります。
参考:厚生労働省 骨粗鬆症
歯周病のリスクが増す
女性ホルモンの減少によって歯周病が進行しやすくなることも指摘されています。
歯周病が進んだ状態でインプラントを入れると、インプラント周囲炎のリスクも高まるため、事前のコントロールが重要です。
歯周病がある方の注意点については、「歯周病のある人がインプラント治療で注意すること」でも詳しくご紹介していますので是非ご覧ください。
唾液が減ることによる口内環境の悪化
更年期になると唾液の分泌量が減り、口の中の乾きを感じることが多くなります。唾液には汚れを洗い流し、細菌の増殖を抑える働きがあるため、乾燥が進むとむし歯や歯周病のリスクが高まります。
更年期世代の方がインプラント治療を安心して受けるために
骨密度検査・全身状態の確認
骨粗しょう症の治療を受けている、または骨密度に不安がある場合は、事前に検査を行い、必要であれば婦人科や整形外科の主治医と情報を共有しながら治療計画を立てます。骨粗しょう症の薬を服用中の方は、忘れずに歯科医師に伝えるようにしましょう。
歯周病のコントロール
インプラント治療前には、歯周病の検査と治療を丁寧に行います。土台となる歯茎や骨の状態を整えてから手術に進むことで、インプラント周囲炎を予防し、長く安定した状態を保ちやすくなります。
治療後のメンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、治療後のケアがとても大切です。とくに乾燥しやすい更年期世代の方は、通常よりもこまめな保湿や丁寧なブラッシングを意識していただくと安心です。インプラントのホームケアのポイントについては、次のコラムを参考にしてみてください。
関連記事:インプラントを入れた後の歯みがきの注意点、普通の歯と何が違う?
自己判断せず、まずはご相談を
更年期特有の体の変化があっても、多くの場合インプラント治療を受けていただくことは可能です。大切なのは、体調やお薬、持病がある場合には歯科医師にきちんと伝えておくことです。
治療そのものへの不安がある方は、インプラント治療に不安がある方へ|よくある疑問をまとめて解説!もあわせてご覧ください。
まとめ
更年期は女性ホルモンの変化により、骨や歯茎、唾液の状態などお口の中にも様々な影響が及ぶ時期です。
しかし、事前にしっかりと検査を行い、全身の状態を踏まえた治療計画を立てることで、安心してインプラント治療を受けていただくことができます。
少しでも不安なことがあれば、些細なことでも遠慮なくご相談ください。

